「業務は大変で休みは取りにくい」建設業界についてこんなイメージを持つ方は多いのではないだろうか。
茨城県を中心に関東全域で足場架設工事を行う(株)善架設工業は、「ノルマなし・残業ほぼなし・平日休みも長期休暇も自由に取れる」というクリーンな働き方を実現している。
2023年11月1日には会社設立10周年を迎える当社。「人を大切にしないとこの業界ではやっていけないです。」と二宮善仁社長は笑顔で語る。
足場架設工事を通して街の未来づくりに携わってきた当社が、建設業界の未来づくりのために行っていることを聞いてみると、働きやすさについての社長のこだわりが見えてきた。
大規模工事の受注にこだわることで得た働きやすさ
——他社との違い、自社の強みは何ですか?
”足場屋さん”というと、トラックに自分で材料を積んで新築の物件を何件も回って……というのをイメージされることが多いんですが、当社は住宅などではなく比較的大規模な工事に携わっています。浄水場、マンション、学校などですね。
大きな現場に乗用車でみんなで向かって、1日作業をして帰るという流れです。資材は運送屋さんに運んでもらうか、自社の大型トラックで私が運ぶこともありますね。
現場の規模が大きくなると、仕事の受注量も単価も大きくなります。この10年間はできるだけ大規模な工事を受注するようにしてきました。個人事業主の頃は、住宅などの小さな現場も引き受けていましたが、今はチームで動く仕事をこなせるように会社も成長しました。
専属契約をしているメーカーさん、直接取引が確立されている地元の工務店さんもいます。個人の頃から築き上げた実績と、安定した仕事量は強みです。
大きな現場に乗用車でみんなで向かって、1日作業をして帰るという流れです。資材は運送屋さんに運んでもらうか、自社の大型トラックで私が運ぶこともありますね。
現場の規模が大きくなると、仕事の受注量も単価も大きくなります。この10年間はできるだけ大規模な工事を受注するようにしてきました。個人事業主の頃は、住宅などの小さな現場も引き受けていましたが、今はチームで動く仕事をこなせるように会社も成長しました。
専属契約をしているメーカーさん、直接取引が確立されている地元の工務店さんもいます。個人の頃から築き上げた実績と、安定した仕事量は強みです。
——大規模工事を受注することで他にどんなメリットがありますか?
安全面ですね。個人事業主の場合、売上を伸ばすためには少しでも多くの現場に入る必要があります。そうするともっと稼がなきゃという想いから焦って雑な仕事をしてしまう……ということが起こってしまいがちなんですよ。
当社では正社員雇用で大規模な現場に入るので、雑に仕事をこなしたりはしません。一個一個丁寧に、事故を起こさないように進めていくスタイルができています。
当社では正社員雇用で大規模な現場に入るので、雑に仕事をこなしたりはしません。一個一個丁寧に、事故を起こさないように進めていくスタイルができています。
——ゆとりを持って仕事ができていますよね。安全のために他に心がけていることはありますか?
この仕事はしっかりしたコミュニケーションがないと仕事にならないんです。鳶工は1人で作業することが禁止されています。連携がしっかり取れていないと事故に繋がりますし、仕事の効率も悪くなります。
だからこそ、月に数回は休憩時間にみんなで食事に行くなどコミュニケーションを取り、それぞれの気持ちをお互いが理解するようにしています。そういった体制を作るために、スタッフたちも考えながら行動してくれています。
だからこそ、月に数回は休憩時間にみんなで食事に行くなどコミュニケーションを取り、それぞれの気持ちをお互いが理解するようにしています。そういった体制を作るために、スタッフたちも考えながら行動してくれています。
——信頼しあってこそ安全に仕事ができますよね。一方で、建設業界では職人どうしがギスギスしている現場も多いと聞きますがなぜでしょうか。
おそらく、個人で仕事を請け負っているそれぞれが、1日の売上を稼ぐことに必死なのだと思います。本当はその現場でチームとして仲良くやりたくても、売上に対する焦り・体力の差・考え方の違いなどからお互いにストレスが溜まってきてギスギスしてしまう。
報酬は折半なのに自分の方が作業が多い……とかね。だから当社は1日のノルマを立てないようにしています。
報酬は折半なのに自分の方が作業が多い……とかね。だから当社は1日のノルマを立てないようにしています。
——工期の管理に影響はないのですか?
1日単位の仕事というのがないんですよ。だから1週間の工期であれば、3日目ぐらいまで様子を見ます。
ちょっと間に合わないなと思ったら、そこで数人増員して5日目で終わるようにしてしまおう!という流れです。
そうすればスタッフにも負担がかからないし、元請けさんにも迷惑がかかりません。住宅の現場だと1日で仕上げないと帰れないので、これも大規模な工事を受注することのメリットなんです。
ちょっと間に合わないなと思ったら、そこで数人増員して5日目で終わるようにしてしまおう!という流れです。
そうすればスタッフにも負担がかからないし、元請けさんにも迷惑がかかりません。住宅の現場だと1日で仕上げないと帰れないので、これも大規模な工事を受注することのメリットなんです。
——安定して大きな現場に入れているからこそできることですね。やりがいの面ではどうですか?
足場架設工事は工事の始めから終わりまで、ずっと現場に関わる仕事なんです。自分たちがいないと始まらない。大きな物を作り上げることは達成感がすごくありますね。
足場が組み上がったときはもちろん自分たちの仕事が目に見えてわかりますし、足場が外れたあとも建物は残り続ける。数年後に近くを通ったりすると、ああ、この現場俺たちがやったんだよなと誇らしくなります。
足場が組み上がったときはもちろん自分たちの仕事が目に見えてわかりますし、足場が外れたあとも建物は残り続ける。数年後に近くを通ったりすると、ああ、この現場俺たちがやったんだよなと誇らしくなります。
会社設立から10年、新しい時代の働き方
——近年、働き方の多様化が進んでいますが建設業界はどうですか?
建設業界でも来年から週休二日制が導入されます。当社の場合はもともと休みは自由に取っています。平日でも長期でも休みたいときに休めるよう、スタッフ全員で協力しています。残業もほぼないですね。
——休みたいときに休むためにはどのような工夫をしていますか?
全員でスケジュール管理アプリを共有しています。全員が休み希望や忙しい時期をわかるようにしています。
後輩スタッフが休みにくいということがないように、先輩スタッフから「休みたかったら俺が出るよ。」と声をかけてくれる環境です。
もちろん私も現場に出ます。そうやって助けあわないとうまくやっていけないと思うんですよね。昔は会社都合の休みが当たり前の業界でしたが、当社は平等に休みやすいようにしています。
後輩スタッフが休みにくいということがないように、先輩スタッフから「休みたかったら俺が出るよ。」と声をかけてくれる環境です。
もちろん私も現場に出ます。そうやって助けあわないとうまくやっていけないと思うんですよね。昔は会社都合の休みが当たり前の業界でしたが、当社は平等に休みやすいようにしています。
——しっかり休んでこそ良い仕事ができますよね。社長はどのように休日を楽しんでいますか?
昔はいろいろな趣味を楽しんでいましたが、今は休みを家族との時間に使っていますね。家族旅行はよく行きます。スタッフのTさんは先日、関西のテニスの大会に出るために平日に4日ほど休みを取っていましたよ。
働くときはしっかり働いて、休む時はしっかり休んでリフレッシュする。そういうメリハリをスタッフにも付けてもらえるよう心がけています。大事なことですよね。ただ、建設業界は慢性的に人手不足なんですよ。それによって休みが取りづらい現場があるのも現実です。
だからこそ、採用活動には力を入れています。先日は外国人技能実習生の面接で、スタッフ全員でベトナムまで行ってきました!
働くときはしっかり働いて、休む時はしっかり休んでリフレッシュする。そういうメリハリをスタッフにも付けてもらえるよう心がけています。大事なことですよね。ただ、建設業界は慢性的に人手不足なんですよ。それによって休みが取りづらい現場があるのも現実です。
だからこそ、採用活動には力を入れています。先日は外国人技能実習生の面接で、スタッフ全員でベトナムまで行ってきました!
——採用のために全員で海外まで行くのはなかなかできないことですよね。全員で意思決定したいという意図ですか?
そうです。なるべく現地で全員で採用しようと。会社というものはスタッフみんなで動かしていると思うので。私1人の判断であれこれ決めてしまうと不満が出ると思うんです。みんなで考えて決めるという考えを行動に移しています。
オンラインでやってみたこともあったのですが、それではどんな方かリアルに伝わって来なかったんです。通訳の方を介しての会話だったりもするので。だから全員で行きました。
現地での面接は社長だけ、または社長と採用担当2人だけでというのは聞きますが、スタッフ全員というのはあまりないかもしれません。
オンラインでやってみたこともあったのですが、それではどんな方かリアルに伝わって来なかったんです。通訳の方を介しての会話だったりもするので。だから全員で行きました。
現地での面接は社長だけ、または社長と採用担当2人だけでというのは聞きますが、スタッフ全員というのはあまりないかもしれません。
——それだけ一緒に働く人を大切にしているということですね。社員旅行にもなって素敵です。
そうそう!みんな喜んでついてきてくれました。ベトナム良いですよ。面白かったです。
建設業をワンストップで任せられる会社を目指す
——建設業といえば善架設工業に!と全てを任される会社にしたいと聞きました。今後のビジョンを聞かせてください。
元請けとして仕事をしたいという想いがあります。自分たちだけで一つの現場を作るのが夢ですね。
——そのためには足場建設工事以外の事業もやっていく必要があるということですね。
そうです。私たちの職種では国家資格の鳶1級というのを取るのですが、建設業には大工さん、鉄筋屋さんなどあらゆる職種があって、それぞれに資格が必要になります。全ての職種を自社に抱えて責任者を1人ずつ立てて……ということを考えると、そういう会社は日本中どこを探してもなかなかないと思います。
でももし、全てワンストップで任せてもらえる会社にできたら、それが強みになります。もし下請けで仕事をする場合でも、足場架設工事以外もまとめて引き受けることができれば、無駄が省けて発注する側にもメリットが大きいです。
そのためには、やはり多くの仲間が必要になってきます。ぜひ多くの人に興味を持ってもらい、仲間になってもらいたいですね。
でももし、全てワンストップで任せてもらえる会社にできたら、それが強みになります。もし下請けで仕事をする場合でも、足場架設工事以外もまとめて引き受けることができれば、無駄が省けて発注する側にもメリットが大きいです。
そのためには、やはり多くの仲間が必要になってきます。ぜひ多くの人に興味を持ってもらい、仲間になってもらいたいですね。